東京ゲームショウ 知的財産シンポジウム
インターネット上での著作権に対する違法行為
及び現在の中古ゲームソフト問題について
平成12年3月31日(金)14:30〜16:00
幕張メッセ・国際会議場2F 201会議室
プログラム
講 演 一部「インターネット上での著作権に対する違法行為」
社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会 専務理事 久保田裕氏
社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会 調査部長 木下氏
二部 「現在の中古ゲームソフト問題について」
社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会 専務理事 久保田裕氏
質疑応答
<一部>インターネット上での著作権に対する違法行為
● 情報産業の育成には教育が不可欠
情報産業はどこでもビジネスが成立するが問題点もある
(1) 情報モラルの欠如でビジネスが成立しない
(2) 良い契約ができない(営業マンの法的センス)
上記の問題点をクリアして、コンテンツを作る側が情報の再生産・良いソフトを生産するためには、情報モラルの確立が必要 である。→情報モラルについての教育が重要→その過程としての違法行為の取締が必要
● ネットワーク上の著作権侵害行為等
著作権侵害行為 海賊版販売、オフ交換、無許諾アップロード
著作権侵害に関連する行為 エミュレータ、MODチップ、シリアル番号の公開
● ACCSによるネットワーク問題への対応
ACCS取り扱い刑事事件 現在まで約200件
94〜95年 パソコン通信
96年頃〜 インターネットへの移行
98、99年 プロバイダーや大学への通知書、官公庁への意見書
99年3月 「ネットワーク違法問題対策委員会」設置
※ 違法サイトにはメールで警告文をうっている→但し、実名での問い合わせのみ応じる
● 著作権違法行為の調査
・ ACCSへの情報提供(電話、ホームページ、ACCS会員、警察、一般ユーザー)
・ ACCSによる実態調査(証拠の入手)+権利者による鑑定
・ 警察への告発→人定捜査(誰が犯罪を行っているのかを特定する)※最近は身元の特定が非常に困難になっている。約 半年位かかる。
・ 警察による家宅捜査、証拠押収→書類送検
※具体的刑事事件について何件か例を上げて説明した。
● インターネット上の著作権侵害行為はインターネットに対する脅威
従来、著作権は私権とされているが、現在インターネット上での著作権侵害行為は
「著作権制度に対する脅威」であると同時に
「インターネットに対する脅威」である。
→いったん、ネット上で違法行為が行われると、権利者(メーカー)にとって、命取りになりかねない。
その脅威を取り除く為には
(1) 国民に規範をアピールする
(2) 2、3年の間に徹底的に違法行為を摘発する
(3) 罰則の強化(←法改正)
(4) 情報モラルの教育=学校教育の現場から教育を行う
※4/3「著作権やプライバシーに関するQ&A」ホームページの開設
● 情報社会における秩序
・モノ社会から情報社会へ
・所有権べったりの概念では情報の付加価値をはかりきれない
・ 例えば書籍においても、中古本が何回も回転する→アナログでも劣化しない→情報から 対価が取れなくなっている
・ 価値の高いデジタル情報をどういうふうに流通させれば、よいソフトが生まれ、情報が生まれてくるのか、そのためにはどう いう産業構造を作っていけばよいのか?
・ 将来、パッケージはなくなるのだろうか→物に固執する意識がある限りなくなることはない。すべてがネットワーク化にはな らないだろう。(パッケージとネットの両立)
→情報社会における新たな秩序=メーカーと販売業者と消費者の三者間のルール作りが必要になってくる
<二部> 現在の中古ゲームソフト問題について
● 中古ソフト裁判の現況
大阪訴訟(地裁) ゲームソフトは映画の著作物→消尽しない頒布権→中古は非合法
東京訴訟(地裁) ゲームソフトは映画の著作物ではない→中古は合法
今年の秋頃に両方とも判決がでそうだが、どちらも最高裁へいくことになる。
→最高裁判決前に業界内ルールを作る(ユーザー、業者、販売店の3者の話し合い)
● ACCSによる中古販売許諾システムと集中管理(試案)
〔メーカーからACCSへの委託条件〕
(1)頒布権のみを信託的譲渡(信託法上の「信託」)
※頒布権の行使による卸先の選別はしない
(2)作品ごとに委託するか否かを決定できる
(3)信託期間を選択できる
(4)許諾料については配分規程に基づき配分を受ける
(5)使用料規定と異なる条件を利用者(販売店)との間で設定できる(指値を認める)
〔ACCSから販売店等への利用条件〕
(1)Nヶ月の中古販売の禁止
(2)中古売上のN%をACCSに支払う
(3)売上を証明するものおよび販売数を証明するデータを添付する
(4)ACCSは中古販売以外に頒布権を行使しない
(5)買い取りについては一切制限しない
<質疑応答>
―質問―(コンピュータニュース川田氏)
(1)ACCS試案の利用条件における具体的な数値は?
(2) ARTS代表理事の新谷さんはこのACCS試案をどう思うのか?
―回答―(ACCS久保田氏)
(1)ゲームソフトのカテゴリーによってNヶ月は違ってくる。メーカー側も多少の痛みは感じて欲しい。また、すべてのメーカーが ACCSに委託する必要はない。
―回答―(ARTS新谷氏)
(2)消尽しない頒布権を前提にした提案は受け入れかねる。しかも、消尽しない頒布権があるのは日本だけである。それに 中古と複製の問題が混同されている。また、先ほどの発言の中で「中古ゲームと歩むユーザーの会」の記者会見資料につ いて、ARTSかARTS弁護団が書いたものであろうとの発言があったが、全くの事実無根であるので彼らの名誉のために も訂正しておく。
上記、ARTS新谷氏の回答に対して
(ACCS久保田氏)「歩む会」の件については、謝罪します。このような立派な文章を書くユーザーがいるということはとても心
強いことだ。今後のゲーム社会を考えていく上でもユーザーとの話し合いの場を是非とも持ちたいと思っている。
中古と複製の件については、中古問題の過去の経緯として話したので混同しているわけではない。
また、消尽しない頒布権については「グローバルスタンダード」ということが言われるが、ゲームという日本がトップに立ってい る産業(プラットホーム100%、ゲームソフト80%)において、先進国に追随するのではなく、日本がこの産業を伸ばしていくた めには何が大切なのかを自分たちで話し合ってルールを決めて行くべきだと思う。
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