「東京訴訟」の結審にあたって
昨年10月にテレビゲームソフトウェア流通協会(ARTS)のメンバーである(株)上昇が(株)エニックスを相手に提起した、「頒布権に基づく差止請求権不存在確認請求事件」(以下、他の類似事件と区別して「東京訴訟」と言います)が本日、東京地裁民事第46部において結審しました。
「東京訴訟」は、過日、被告の「認諾」という形によって終了したいわゆる「ドゥー訴訟」が、当初より被告側が何ら争う姿勢を示さなかったことに対し、このままでは正当な裁判の進行が望めないと危機感を抱いたARTSメンバーによって、ゲームソフトの中古売買に係る「頒布権」の有無の判断を改めて裁判所に求めたものであります。
私たちはこの「東京訴訟」を進めるにあたって、これ以上望むべくもない強力な弁護団を組織しました。
それはこの裁判を通して、ゲームソフトという新しい商品の活発な流通を、映画という形態の全く異なる権利によって封じ込めようとする一部メーカーの歪んだ政策を排するため、真摯な姿勢をもって公正な審理を求めたからに他なりません。
欧米において自由な流通が保証されているゲームソフトが、日本においてのみメーカーの意思によって制約されることに私たちは異議を申し立てたいと考えました。
ゲームソフトの中古売買が、1983年のファミコン発売以来15年を経過したゲーム産業において、新品市場を補完または下支えしてきたことはあってもそれを阻害してきたことはありません。
それは、中古売買を併用した専門店の存在がゲーム産業の発展に大きな貢献をしてきたことからも明らかであります。
その意味で、「ドゥー訴訟」で被告が親会社の家電量販店の都合があったといえ、争いを放棄したことに同業者として憤りを禁じ得ませんが、それ故に「東京訴訟」の持つ意味は大きく、私たちは裁判所の公正な判断が下されることを確信しております。
最後に、一部報道にありました、(株)エニックスが条件付きで中古を認めるとの方針につき、私たちは本件に一切関与しておらず、あくまで裁判所の判断に委ねる所存であることを申し沿えたいと思います。
1999年3月16日
テレビゲームソフトウェア流通協会(ARTS)
代表理事 新谷 雄二
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